随分昔の本ですが、ハリウッド俳優、シャーリー・マクレーンの著書「アウト・オン・ア・リム」を最近読了しました。
この本は、シャーリーのスピリチュアルな旅と内面探求の記録で、非常に興味深い内容となっていて読んでいてワクワクドキドキしました。
シャーリーは不倫に苦しみながらも、神秘体験やスピリチュアリティに目覚めていく過程を赤裸々に綴っており、輪廻転生や宇宙人、チャネリングなどのニューエイジ思想に傾倒、自分の前世や霊との交信を語っています。
この本は、1979年~1981年にかけての彼女の人生や精神世界を探求するための旅の記録であり、以下のような出来事が書かれています。
- イギリスの政治家である不倫相手との密会と別れ
- ロサンゼルスでの前世療法と自分の前世の発見
- エドガーケーシーの本を知り、多数読破
- スウェーデンでのチャネラーとのセッションと宇宙人との交信
- ペルーのアンデスでの瞑想と宇宙との一体感
シャーリーはこれらの体験を通じて、自分の内側に全てがあるという普遍的な真理を知り、自身を解放することを決意。人生における選択や責任、愛や幸せについて深く考え、人生を自分の意志で生きることの大切さを説いています。
精神世界に興味がある人(お手軽スピではなく)、人生や魂の目的を探求したい人にお勧め。感銘を受けるシーンが多数出てきます。
人生に迷ったとき、恋愛に悩んだとき、自分の内側に目を向けたいときに役立つ一冊となるでしょう。
特に気に入った部分
前半は不倫内容があり、そんな個人的な事には興味が無い・・と読む気が削がれ、一旦放置したものの、最近また続きを読み始め、6章以降からの展開がワオワオワォ~!という状態で一気に読了できました。
不倫密会部分はいらんのでは?と思ったものの、ゲリーとの関係もシャーリー自身を見つめ直すきっかけとして存在が大きかったのでしょうね(読んでるほうはフーンて感じですが。)
特に後半の19章(P.259~)以降、シャーリーを霊的に導く役目を担っている5~6歳年下のデイビットと、ペルー旅に出かけるところからの展開がスゴイ。
この地で二人はアンデス鉱泉に入る。
シャーリーはまだ本で知識を得ているだけで、体験として霊的覚醒しておらず、精神世界に疑いの気持ちを持っている。デイビットは男性だからと、一緒に鉱泉に入るなど身の危険があるのではないかと不安に思うものの、デイビットは既にそんな域にはおらず(女性をなんとかしたいという利己的な欲求が消えている域にいる)、シャーリーの不安もお見通し。聞かれてもないのに「そんな気はない」ときっぱり言われてしまい、シャーリーはとても面食らってしまう。気がないですって?!
もしかしたら「この女優の私に気がないですって?」という驚きだったのかも?
他にも面食らうことの連発だったのでしょう、「何ですって!」という表現があちこち出てきて非常に面白い。
この鉱泉は強い浮力が発生しており、そこに足をつけたままにするのが難しいほど浮いてしまうという。
この様子を読んでいて、私はふと「臨死体験 下巻」に出てくる、脳科学者リリー博士が開発したアイソレーションタンクを思い出した。
このタンクは霊的探究にも役立つ「感覚遮断」を目的に開発されたもので、浮力が凄く、自分の肉体が無くなったかのような、境界線を失う、全てと一体感になる体験ができる装置。
アンデス鉱泉の、シャンパンみたく肌にパチパチくる水質は違うけれど、似たようなもんかと。
鉱泉でシャーリーが、全てと一体感になる様子がありありと綴られているのが興味深い。
- 蝋燭の火を見て焦点合わせ、深呼吸する。
- 自分が蝋燭の火になったよな一体感になるまで深呼吸。
- 蝋燭に集中し、他の思考は一切消す。
- 意識はしっかりしているのに、自分が水と一体になり蝋燭の火が自分の中心になる。
シャーリーは終始疑い深く、よく「本当かしら?」と言っているが、実際に様々な霊的体験することによって確信に満ちていく。
あなたの使命は、この体験の本を書く事、と言われる。
ハリウッド女優がこのような本を書けば売れる。しかし、こんな突飛な事を書いたら女優として信頼を失うのでは・・と怖がる気持ちも。
それでも書こう!と思ってくれたことは導きなのでしょう。本は、時代が経っても読まれる。
又、この本が日本語に翻訳されたことも運命を感じる。この本が出版された当時、翻訳者の山川夫妻はアメリカに住んでおり、 山川紘矢氏は日本の大蔵省からアメリカの世界銀行に移動。そのとき、職場でこの本に出会ったという話だったかと。
是非翻訳したい!と出版社に掛け合い、版権を日本の出版社に買ってもらい翻訳することになったのだという。大蔵省に居た方が精神世界の本を翻訳、と、なかなかすごい展開。
山川夫妻が翻訳する本は精神世界のものが殆どで、いくつか読んでてどれも感銘を受けます。
ペルーでの、シャーリーの気づきの中の1つ
P.302
私は太陽に顔を向けて、私にも何回か純粋で完全な幸せを味わったことがあることを思い出していた。でも大抵の場合、仕事や私生活でのトラブルとか、自分の欠点などあまり楽しくないことを思い出して、幸せな気持ちを台無しにしていた。たった今もそうだった。熱い陽の光を顔に感じて、私は素晴らしく気持ちが良かったのに、あまり長く陽にあたっていると日焼けしてしまうと思ったとたんその喜びも萎んでしまった。
普段から気づかずとも至福を味わっていたのに、それを邪魔している犯人は雑念だったということにシャーリーは気づいたのです。
他には、霊的な事に興味を持ちだした自分の話を聞いてほしい、出来れば同じようになってほしい、と不倫相手ゲリーに押し付けてしまうのですが、彼は全く興味を示さず、シャーリーはがっかりします。しかし後ほど、人を操作しようとしていたことにも気づいてしまうのです。
本当は、人は霊的なことに気付こうが気づくまいが、今のまま、ありのままの状態で完璧なのです。まだその準備が無い人に押し付けてはならない。人生を生きているうちに大きな苦難が訪れ、ある日を境に「いつも外側の何かが悪いんだ、と人のせい、責任逃れしていてもキリがない。実は全ての原因は自分の内面の心の状態にあったのだ」と気づくまで、その人の外側ばかり見る生活は続くのです。
人を操作しようとしてしまうことは私も多々ありましたが、最近は薄くなってきてます。完全になくなったわけではないので反省しなくちゃ。
以下は文庫本のリンクと、映画のご紹介です。本は未だに絶版になってないのが嬉しいですね。図書館にもあるかもしれません。
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