映画「パーフェクトデイズ」Perfect Days

03日記
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日独合作で2023年12月から今も上映している役所広司主演の映画を観てきました。珍しく、映画館まで出向いて。

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アップライト京都

現在「京都シネマ」と「アップライト京都」で上映してますが、新風館地下に出来たアップライトはまだ一度も行ったことがないミニシアターだったのでそちらに決定。チケット購入は会員登録不要でネットでささっと簡単だったのが良かった。前日の夜には半分くらい席が埋まっていて、当日は最前列のみ空席であとはほぼ満席状態。

座席は上映中ずっとほんのり暖かく心地よくてね、椅子にヒーターついてる?と不思議でした。この日は雨が降っていて寒い日だったので尚良し。前の席の背面に鞄をかけるフックと傘立てが設置してあり、鞄を床に置くために持参したビニールシートは不要となった。

さて、映画。

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Perfect Days

この映画は友達から聞いて、よし見に行ってみよう!と思ったのでした。

台詞が極端に少ない映画という事を知った上で見に行きましたが、役所さん扮する平山さん、東京スカイツリーの近所にある2階建ての古アパートで独り暮らし。毎日似たようなルーティーンで生活が何回も繰り返される。部屋はミニマリストのように、物が少ない。けれど本やカセットは沢山あった。

朝、ご近所さんが外をホウキではいている音で目覚め、布団をサッとたたむ。

そしてキッチンシンクの前に立ち、歯ブラシに歯磨き粉をつけて豪快に磨きだす。え?口に入れる前に歯ブラシを水でぬらさないんだ?とどうでもいいことが脳裏をよぎった。歯磨きシーンは数回でてくる。そのたびにやっぱり水でぬらさないんだ?と。

え?みんな水で濡らさないの?!

次に霧吹きで植物に水をやる。手を添えて大事そうに。

仕事用のつなぎを着て、アパート前で缶コーヒーを買い、車に乗り込み仕事に出かける。カーステはカセットテープ。懐かしのオールディ~な曲が流れる。

仕事は渋谷区内にある公衆トイレを順次車で回って丁寧に掃除していく。掃除グッズも自作という拘りぶりで、松井棒を思い出した。

渋谷区のトイレがお洒落で驚く。ガラス張りで中が丸見えのトイレ、ニュースで見たことがあった。鍵をしめたらガラスが見えなくなる仕組みになっているのを映画を見て初めて知った。

お昼休憩は神社の中のベンチに座ってコンビニのサンドイッチと牛乳で。フッと漏れる至福の、ブッダのような微笑み!
これよこれ。

平山はひとりの時はずっと沈黙。同じトイレ掃除のチャラい若者に話しかけられても殆ど答えない。しかし他の人とは会話をするシーンも出てくる。言葉少なで、余計な事は話さない、謎めいていてまたそれがいいんではないの?意外と若い女性にモテるおじさん。

そう言えば平山はアパート暮らしだが、実家は資産家かな?と思わせるシーンがあった。あくまで勝手な想像であり、そんな事は明かされてないけれど。平山の妹がアパートに来た時、運転手付きの黒塗りのハイヤーに乗ってきたから。

「父はホームに入った。もう昔のようではなくなってるから、一度会いに行ってやって」という妹に対して、頑なに首を振る平山。何か深い理由があって、心の中で縁を切ったのかもしれない。親子の、何か複雑で深い悲しみが漂ったように思った。

妹が訪ねて来たのは、妹の娘である10代後半くらいのニコ(平山の姪)が家出して、平山の家に転がり込んだから。ニコが何故家出したのかは何かとても分かる気がした。

平山と妹は住む世界が違うんだそうだが、ニコはどちらかと言えば平山側に属する人かな。

平山の質素ながら自由満載で、好きなものだけに囲まれた生活は、苦がほとんどなくてイイなと思う。それは、ちょっと俗世間から外れた人のように映るけど、そこには自由があり、至福があり。

食事に行けば店員から「お疲れ」って言ってもらえるような間柄も持っていて、誰とも付き合ってないわけでもない。石川さゆりが気になったが・・

平山は古本屋で本を1冊だけ買って、寝る前に読む。読み終わったらまた1冊買う。1冊づつ買うスタイルが、ホセムヒカさんが仰るような「本当の贅沢」かなと思えましたが、それができない私。
本はあれもこれも読みたくなり、とめどなく買ったりとめどなく図書館で借りたりするので、全然読み切れず返却することも多々。1冊づつ買うのは素敵。ドカッと買って、まだ読んでない本をどんどん貯め込んでいる私は何か間違ってると思える。

私もよく木漏れ日を見る、一瞬一瞬の揺らぎ。撮影はスマホです。
平山のようにフィルムカメラではないけれど、いや、今もフィルムを現像してくれるお店があるんだ?という驚きも。

カセットテープが若者に人気とか、えぇっ?ビックリ。
東京の友達に聞いてみたところ、都内では人気なんだって!
え~~~~~。

映画を見て気づくことは沢山あり収穫多し、映画の余韻がまだ続いてる。見る人によって評価が分かれる映画だが、あのセリフのないシーンの数々から、言葉のない表現が沢山みえてくる。

映画をみていたお客さんの年齢層も20~50代と、わりと若い世代も多くて。大学生くらいの子も。

最後はちょっと三浦友和が出てくるシーン、意味深でしたね。
コインランドリーの洗濯物、ほったらかしに思えたけど取りに行ったのかしら?

エンドロール直前の、車の中での微笑みは、ある意味何かを悟った人の微笑みでありました。

いや~ほんま、よかった!


ところで四条御池にある新風館は新しくなっていて上にホテルができていてね、西洋人が沢山。ここはどこ?状態。

03日記
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